拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

研究

 「大学院生ワークショップ」(2月16日@茗荷谷)のお知らせ

2月16日、筑波大学東京キャンパス(茗荷谷駅前)にて、「大学院生ワークショップ」を開催いたします。Takashji Fujitaniトロント大学教授、小説家のMadeleine Thien氏をお呼びしてのイベントになります。北米・カナダ・環太平洋地域の文学や文化に関心のある…

 なんで宇佐見太市論文を読んでいなかったんだろうorz

CiniiとかGoogle Scholar等々でそこそこチェックはしていたはずなのだが、なんとこの論文を見落としていた。宇佐見太市「日本の英文学研究」考」、『関西大学外国語学部紀要』(第9号、95-116頁、2013年)。宮崎芳三『太平洋戦争と英文学者』(1999)が言及…

関東支部大会でのシンポを終えて

昨日は長い1日だった…。さすがに疲れたが、充実した1日ではあったかな。 Oさんの大変明快かつ刺激的な『ドラキュラ』論を拝聴。集団ヒステリーの問題をこのさくひんに読み込むという議論だったが、司会のOさんからル・ボン『群集心理』の話が出たこともあり…

日本英文学会関東支部第11回大会(10月31日)

慶應大学日吉キャンパス(第4校舎A棟4階)にて開催されます。詳細なプログラムはpdfでDLできます。 http://www.elsj.org/kanto/_src/sc2047/15_p.pdf 齋藤もシンポで登壇します。「被爆体験と「研究」―清水春雄について」というタイトルです。ホイットマン研…

国立国会図書館はひさしぶり

なん年ぶりだろう、国会図書館を利用するために永田町駅を降りたのは(一昨年からはデモ参加とかでしたので)。下手をすると、国会図書館は、蝦蟇の油大学に来てからは利用していないんじゃないか?というわけで、なにをするにしても待ち時間があるのをすっ…

江利川春雄『英語教科書は〈戦争〉をどう教えてきたか』読了

著者にお恵みいただいてすぐ読みました(ざっとですけれど)。帯の惹句に「英語教科書は若者を戦地に送った 戦後70年初めて明かされる〈戦争〉教材の真実」とあるが、まさにその具体例がふんだんに盛り込まれている。私、かつて雑誌『英語青年』復刻版をガ…

R. Flanagan, The Narrow Road [...]読書中

The Narrow Road to the Deep North作者: Richard Flanagan出版社/メーカー: Vintage発売日: 2015/03/26メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る先週の日曜日の冷戦読書会から読み始めた。タスマニアからみたらタイ・ビルマ国境(泰緬鉄…

石牟礼道子『苦海浄土』読了(4度目位?)

新装版 苦海浄土 (講談社文庫)作者: 石牟礼道子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/07/15メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 175回この商品を含むブログ (71件) を見る授業で学生さんに担当してもらった。重要な箇所をうまくピックアップしてくれたのは良…

「サゴヤシのお菓子は?」(『ジェイン・エア』)+読了(6月5日)

「料理人」とグレイス・プールとの会話の中で、「料理人」がこう聞くわけなのですが、以前読んだ時には全然気づかなかった箇所。Nortonの注だとWest Indies由来とありーーつまりはフェアファクス家の「秘密」を連想させる記号であるーー、しかし私はまったく…

「アマチュア」であること

福原麟太郎(広島県福山市出身、被爆後の広島を直接見たのは1948年)の原子爆弾(核問題)についての沈黙を考えるために、長崎出身だが被爆していない佐多稲子(長崎を見たのは1950年)が1972年に『樹影』という作品を書いたことを対比してみる、というよう…

アオモリ(開高健『日本三文オペラ』)

備忘録的に。 院の授業で丸川哲史『帝国の亡霊』(2004年)を読んでいたのだが、開高健『日本三文オペラ』(1959年)を論じた箇所があった。というわけで、たぶん25年ぶり位に『日本三文オペラ』をKindle版で読んだ。 ところで、丸川さんは、済州島出身の在…

核とフォークナー『寓話』

卒論・修論・博論関連が重なって、カゼもひいてしまって、でも無理して茗荷谷まで行ってよかったのでした。というのは、Oさんによるフォークナー『寓話』論を聞けたから。時間がなくて、ズルをして、岩波文庫の阿部知二訳で予習をしたのだが、そうそうフォー…

スペンダー広島講演会(1957年)についてのメモ

Stephen Spender, "Problems of Modern Poetry"について今週木曜日に「予行演習」をさせていただくわけですが、あいかわらず泥縄作業中。そんな中、Facebook経由で以下のNHKの番組の重要性を知った。いや、私も録画はしているんですが、やっぱり見ておかない…

「スペンダー、ジョイス&エリオット、広島」のメモ(上記エントリーの補足)

スペンダーの日本訪問(1958年)が、その3年前のフォークナー日本訪問、さらにはスペンダーがJournalに書いているように、エドマンド・ブランデンやD・J・エンライトが日本を訪問して(スペンダーに言わせれば彼ら、特にブランデンは「神格化されている」と…

英文学会第86回大会@北大に行ってきました

先週末の札幌の空気は爽やかだったなあ…。それにひきかえつくばのry) 初日のシンポは「17世紀の演劇と科学」を大いに楽しみました、というか全然知らないネタばかりなので大変勉強になりました。Browneは難しそうだがなあ…。ああいうのを聞いちゃうと、も…

「都立英文」関連、つくばには(あまり)ない!

必要があって都立英文の雑誌『Metropolitan』の70年代以降のものをざっと読みしたいと思ったのだが、筑波大学中央図書館にはない。近場だと、茨城大学にはある。が、図書館改装中らしく閲覧ダメっぽい。おとなしく、南大沢までいくかなあ。

アート対ジャーナリズムーースペンダー「現代詩の諸問題」覚え書き

3月の出張連チャンも今日で終わり。広島空港には2時くらいにつけばいいから、覚え書きをちょろっと書いて、桜でも観に行きます。 当初は清水春雄の1948年の卒論を見てこようと思ったのだが、その前に中央図書館の2階にある「フェニックス文庫」に昔の紀要が…

【拡散希望】トランスパシフィックなWS&シンポ(3月8・9日)

今、私&吉原ゆかりさん(筑波組)+越智博美さん&井上間従文さん(一橋組)でやっている科研で、若手研究者ワークショップ(3月8日、一橋大学)とシンポ(3月9日、筑波大学@東京キャンパス〔茗荷谷〕←ここ注意)をやります。科研のキーワードが「トランス…

Williams氏の講演で、Friel, _Translations_をしっかり読まなきゃなと思ったわけです

いろいろ時間をやりくりして、金曜日と土曜日のDaniel G. Williamsさん関連のイベントに参加しました。http://ja.scribd.com/doc/197276506/JapanPoster レイモンド・ウィリアムズの仕事を前提とした今回のイベント、私は土曜日の講演の方が学ぶことが多かっ…

共通文化にむけて

共通文化にむけて (文化研究 I)作者: レイモンド・ウィリアムズ,川端康雄,大貫隆史,河野真太郎,近藤康裕,田中裕介出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2013/12/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る昨年末に刊行された、レイモンド・ウィリ…

Culture and Anarchyを読破しよう

先週の授業だったかな、アーノルドの『文化とアナーキー』(Culture and Anarchy)は読んだけど、その文脈がわからないという学生がいたので、まあともかく古い岩波文庫を図書館から引っ張りだしてきて、以下の引用を含む頁を学生さんに読んでもらいました。…

田舎と都会の英米文学ー玉井武について

もちろんタイトルの由来はレイモンド・ウィリアムスであり、河野真太郎である。The Country and the City作者: Raymond Williams出版社/メーカー: Oxford Univ Pr発売日: 1975/03/27メディア: ペーパーバック クリック: 2回この商品を含むブログ (2件) を見…

スウィフト論三点

明日の授業のため、昔読んだ本をひっくり返している。『ガリヴァー旅行記』を読む (岩波セミナーブックス)作者: 富山太佳夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/03/21メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (7件) を見るどうしても一冊とな…

占領期の『英語青年』

またまた『英語青年』の1944年〜1952年を読んでいます。今度は「福原麟太郎」を中心に。まだ1946年までなんですが、とにかく(北米)democracyについての紹介文が多い。これは福原以外の寄稿者も同様。私の関心としては、この文献を通したアメリカの民主主義…

『思想』ド・マン特集号、読みはじめ

緊急時以外は、土日はメールをあまり読まないことにしています。すいません。日付が変わったら猛然と返信します。昨日は屍のように寝ていました、今日は先ほど起床。土田さん巽さん宮崎さん(正しい漢字が出ません、ごめんなさい)の対談を読んでいるのです…

“地方”文学

東北方面ではこんな本が出ている。東北近代文学事典作者: 日本近代文学会東北支部出版社/メーカー: 勉誠出版発売日: 2013/06/28メディア: 大型本この商品を含むブログ (1件) を見る買います。「南東北」の茨城県人として読むとか(嘘)。ぶあついので通読は…

岩波『思想』7月号ポール・ド・マン特集

当然買います。 http://www.iwanami.co.jp/topics/annai/annai.pdf

The Liberal Imagination

The Liberal Imagination (New York Review Books Classics)作者: Lionel Trilling,Louis Menand出版社/メーカー: NYRB Classics発売日: 2008/09/23メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログを見る福原と対比させて論じるに値する批評家。でも、これも…

『戦争を〈読む〉』

・・・「けんきう」できない、などと寝言を言っていると、Kさんから以下の本をご恵贈いただきました!戦争を〈読む〉作者: 石川巧,川口隆行出版社/メーカー: ひつじ書房発売日: 2013/04/08メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る…

『苦海浄土』付箋紙貼りまくりメモしまくり

文庫本がブカブカになりつつあります。授業では表象=代理の問題で話をしようと考えたけれど、いろいろ手続きを工夫しないといかんなと試行錯誤中。