拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

いただきもの三冊

ご恵投いただいたのにお礼もできていない本が三冊もあるのは、これはどうにもいかんことですので、せめてこちらで紹介させていただきます。

〈変態〉二十面相――もうひとつの近代日本精神史

〈変態〉二十面相――もうひとつの近代日本精神史

これは三島由紀夫論、「三島由紀夫ーーとてつもない〈変態〉」をお書きになった柳瀬さんから頂いたもの。「はじめに」(151頁)にこうある。

三島由紀夫の〈変態性〉については、これまでその同性愛表象を中心に考察が深められてきた。本稿では、それらを踏まえた上で、同時代の認識の枠組みから逃れ去るもの・言説の一貫性を解体する〈開かれたもの〉としての三島の〈変態性〉=〈変質性〉をとらえ、彼の小説の語りの変化の問題や世界認識全体との関係も視野に入れながら考察していきたい。

「世界認識全体との関係」というあたりが柳瀬さんらしい(のかどうかはこれから読みますので保留、といってもここで書いたら保留にならんか)。

アメリカ映画のイデオロギー―視覚と娯楽の政治学

アメリカ映画のイデオロギー―視覚と娯楽の政治学

越智さん(「007は誰と闘うのかーー冷戦を愛するスパイ」)と大田さん(「ノエル・カワードと再婚の喜劇としての『或る夜の出来事』ーー「長い二〇世紀」のなかの映像文化」)、ありがとうございます。目次を見ると、三添さんの論文「核と学の遭遇ーー『ダック・アンド・カヴァー』、コナント、サリンジャー」もある!
最後はこれ。
終わらないフェミニズム −−「働く」女たちの言葉と欲望

終わらないフェミニズム −−「働く」女たちの言葉と欲望

目次を見ると知人が多い…ってウルフ協会の論集だから当たり前か(いや、私は会員じゃないんですが)。みなさん、ご恵投下さいましてありがとうございました。どれも面白そうなのですが、まずはわたくし的には大田さんの「ウルフ、ニューヨーク知識人、フェミニズム批評ーーもうひとつ別の「成長」物語?」から読むべきなのかな。でも伊藤さんの「「少女」の誕生と抵抗ーー孤児アンの物語の原作と日本における受容をめぐって」も気になるところ。