拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

スピヴァクとテレサ・ハッキョン・チャに没頭

しています。スピヴァクは『ある学問の死』、チャは『ディクテ』。どちらもネチネチ読んでいます。スピヴァクは誰かが『英語青年』等々で書評して欲しい。比較文学の死ぬまえの「あがき」って、英文学も人ごとじゃないだろう、と。「来るべきもの」を、不可能な共同体を想像すること、それをするための精読技術を磨くこと、そういうことを文学テクストから教えられる事等々の提言は、うんうんとうなずきつつ読んでいます。「立法主義的な研究」(というのはたぶん新歴史主義以降ポストコロニアル研究にまである、資料でいこう!的研究のことだと思うが)への批判は、まともな図書館がない私にとって、結構深刻な問題です。
『ディクテ』については、先月末の三田のシンポ以来さらに興味が増してきています。酒井直樹論文以下よい研究が日本語でもあるけれど、私も〈英文学〉という点から何か書いてみたいという気もする。あの「フランス語に翻訳せよ」という練習問題の箇所、やっぱり気になるな。ああいう練習問題は私だってやったわけで、でもチャのような表現はできなかったわけで・・・。