拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

2015-01-01から1年間の記事一覧

 「大学院生ワークショップ」(2月16日@茗荷谷)のお知らせ

2月16日、筑波大学東京キャンパス(茗荷谷駅前)にて、「大学院生ワークショップ」を開催いたします。Takashji Fujitaniトロント大学教授、小説家のMadeleine Thien氏をお呼びしてのイベントになります。北米・カナダ・環太平洋地域の文学や文化に関心のある…

2015年の終わりに

あっというまに2015年もあとわずかになってしまった。記録のために、今年の「まとめ」を書いておく。 (1)五島列島観光はよかった。短い滞在だったけれど、教会群を見て回れたのは良い思い出。本当はがっちり勉強してから行きたかったのだけれど、それはま…

 なんで宇佐見太市論文を読んでいなかったんだろうorz

CiniiとかGoogle Scholar等々でそこそこチェックはしていたはずなのだが、なんとこの論文を見落としていた。宇佐見太市「日本の英文学研究」考」、『関西大学外国語学部紀要』(第9号、95-116頁、2013年)。宮崎芳三『太平洋戦争と英文学者』(1999)が言及…

関東支部大会でのシンポを終えて

昨日は長い1日だった…。さすがに疲れたが、充実した1日ではあったかな。 Oさんの大変明快かつ刺激的な『ドラキュラ』論を拝聴。集団ヒステリーの問題をこのさくひんに読み込むという議論だったが、司会のOさんからル・ボン『群集心理』の話が出たこともあり…

日本英文学会関東支部第11回大会(10月31日)

慶應大学日吉キャンパス(第4校舎A棟4階)にて開催されます。詳細なプログラムはpdfでDLできます。 http://www.elsj.org/kanto/_src/sc2047/15_p.pdf 齋藤もシンポで登壇します。「被爆体験と「研究」―清水春雄について」というタイトルです。ホイットマン研…

国立国会図書館はひさしぶり

なん年ぶりだろう、国会図書館を利用するために永田町駅を降りたのは(一昨年からはデモ参加とかでしたので)。下手をすると、国会図書館は、蝦蟇の油大学に来てからは利用していないんじゃないか?というわけで、なにをするにしても待ち時間があるのをすっ…

このあとを見たい

安保法案が安保法になってしまった朝、気分は最悪である。というよりは先週からほぼ抑うつ状態ーーPCに向かってブログを更新しているから、しばらく休めばなんとかなりそうだが。いまは前向きなことは書けないが、でもこのあとを見たいという気持ちだけはあ…

五島列島に行ってきました(本当は9月)

ブログをチェックしていたら、8月には何も書いていないので、9月中旬の五島列島旅行について書いておく。とはいえ、K社のフリープランツアーでの2泊3日(レンタカー)旅行、じっくり教会を見て回るわけにもいかず…それでも主要なところは見てきました。頭…

江利川春雄『英語教科書は〈戦争〉をどう教えてきたか』読了

著者にお恵みいただいてすぐ読みました(ざっとですけれど)。帯の惹句に「英語教科書は若者を戦地に送った 戦後70年初めて明かされる〈戦争〉教材の真実」とあるが、まさにその具体例がふんだんに盛り込まれている。私、かつて雑誌『英語青年』復刻版をガ…

R. Flanagan, The Narrow Road [...]読書中

The Narrow Road to the Deep North作者: Richard Flanagan出版社/メーカー: Vintage発売日: 2015/03/26メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (1件) を見る先週の日曜日の冷戦読書会から読み始めた。タスマニアからみたらタイ・ビルマ国境(泰緬鉄…

石牟礼道子『苦海浄土』読了(4度目位?)

新装版 苦海浄土 (講談社文庫)作者: 石牟礼道子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/07/15メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 175回この商品を含むブログ (71件) を見る授業で学生さんに担当してもらった。重要な箇所をうまくピックアップしてくれたのは良…

河野真太郎「母のいないユートピアーー『新世紀エヴァンゲリオン』から『インタステラー』へ」読了

Posse第26号(2015年3月)221−236、読了。POSSE vol.26作者: POSSE編集部,今野晴貴,棗一郎,島田陽一,中村和雄,海老原嗣生,山口一男,黒田祥子,竹信三恵子,山崎憲,久保佐世,白井康彦,加藤はる香,児美川孝一郎,嶋?量,稲葉剛,藤田孝典,上西充子,高橋在也,河野真…

曽根富美子『親なるもの 断崖』読了

私はWさんに教えてもらってKindle版で読んだのですが、新装版もあるんですね。新装版 親なるもの断崖 第1部 (ミッシィコミックス)作者: 曽根富美子出版社/メーカー: 宙出版発売日: 2015/07/10メディア: コミックこの商品を含むブログ (10件) を見る北海道の…

岸政彦『街の人生』読了

積ん読解消授業(火2)のために読了。ここに書いてある人たちの記録を、筑波大学の学生がどう読むか。どうだろうなあ。個人的には「西成のおっちゃんーー路上と戦争」(満州からの引揚者)にいろいろ考えるところがありました。街の人生作者: 岸政彦出版社/…

英語授業用ツイートのログはこちらです

木2限と木4限の英語の授業を受講している学生さんで、「ツイッターアカウントを作るのは、ちょっと・・・」という方は、こちらのサイトをご覧ください。ツイッターアカを持っていなくても、ツイートの内容を閲覧できます。http://twilog.org/tsukubaHSengl…

台湾出張(23日、於:台湾国立政治大学)

今回は22日台湾入国、23日は午前9時午後6時の「フォーラム」、24日出国(深夜バスで筑波大学まで戻った)という強行軍、台湾の友人のみなさんとはお会いするのは諦めてーーみなさんすいませんーー、参加校(高麗大学、政治大学、北京外国語大学、筑波大学)…

「サゴヤシのお菓子は?」(『ジェイン・エア』)+読了(6月5日)

「料理人」とグレイス・プールとの会話の中で、「料理人」がこう聞くわけなのですが、以前読んだ時には全然気づかなかった箇所。Nortonの注だとWest Indies由来とありーーつまりはフェアファクス家の「秘密」を連想させる記号であるーー、しかし私はまったく…

「アマチュア」であること

福原麟太郎(広島県福山市出身、被爆後の広島を直接見たのは1948年)の原子爆弾(核問題)についての沈黙を考えるために、長崎出身だが被爆していない佐多稲子(長崎を見たのは1950年)が1972年に『樹影』という作品を書いたことを対比してみる、というよう…

『ジェイン・エア』再読

今年は院生(留学生含む)と日本語でいいから長編小説を読もうということにしたのだが、1冊目はこれである。ジェイン・エア(上) (岩波文庫)作者: シャーロット・ブロンテ,河島弘美出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/09/19メディア: 文庫この商品を含む…

最近読んだ本やマンガなど

昨年は涼宮ハルヒシリーズの原作とアニメとマンガを10年遅れで読んだ・観た。今年に入ってからは20年ぶりくらいにエヴァのテレビシリーズ&旧劇を観た→新劇も観た。これは「最近読んだ」じゃないけど、備忘録として。 ハルヒについてはこの論集のハルヒ論が…

佐多稲子『樹影』

樹影 (講談社文芸文庫)作者: 佐多稲子出版社/メーカー: 講談社発売日: 1988/01/27メディア: 文庫この商品を含むブログを見る樹影 (講談社文芸文庫)作者: 佐多稲子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/29メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る198…

新学期の授業のネタ

3年前位だったか、春期(筑波大学も今は2学期制になっています)の授業で、私が学生と一緒に読みたいという著作を一緒に読んで議論するという授業をやっている。4月からのその授業のリイーディング・リストには以下の著作が含まれる(予定)。予定、なのは…

アオモリ(開高健『日本三文オペラ』)

備忘録的に。 院の授業で丸川哲史『帝国の亡霊』(2004年)を読んでいたのだが、開高健『日本三文オペラ』(1959年)を論じた箇所があった。というわけで、たぶん25年ぶり位に『日本三文オペラ』をKindle版で読んだ。 ところで、丸川さんは、済州島出身の在…

『アイヌ民族否定論に抗する』、でました!

緊急出版で、すごい寄稿者の文章が読める。私、速攻で買いました。アイヌ民族否定論に抗する作者: 岡和田晃,マークウィンチェスター出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/01/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (30件) を見る追記 編者の一人、岡…

この画像に心ひかれました

私が筑波大学にやってきたのが1991年。その夏に起こった事件から、私は表現とはなにか、いろいろ考えこむ様になったと思います。たぶん、サイードを読み始めたのもこの頃。今も考えこむ癖は変わらない。そんな私にとって、ツイッター上で流れていたこの画像…