拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

2001-01-01から1年間の記事一覧

2001年末

今年もかなり多量の駄文を書いてきたのだけれども、中島論なんかは(口頭発表ではあるけれども)形になったので、まるっきりの駄文というわけでもなさそう。来年もこんな莞爾幹二(←この変換すごいよね)じゃない感じで書きつづけます。ところで、私齋藤は、…

『中島敦と問い』、『三点確保』

小沢秋広『中島敦と問い』(河出書房新社、1995年)が古本屋でも入手困難なのは全くひどい話だ。中島敦と問い作者: 小沢秋広出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1995/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る「当時もう一つのことが気に掛か…

柳瀬論文を読む

柳瀬善治「異文化間の「架橋」と「日本」の浮上――保田與重郎における西欧の〈アウフヘーベン〉」(『日本近代文学』、Vol.56、1997.5、pp.149-163)を読む。私にとって、本当に貴重な論文である。中島敦『光と風と夢』が掲載された『文学界』1942年5月号にお…

翻訳と翻案

今年の3月に書いた論文、「翻訳と翻案――岡倉由三郎について」をようやくアップ。久しぶりに読み返したけれど、やっぱり「論文」というよりは「ワーキングペーパー」、論証が質量ともに甘い。まずい。

トムリンソンの時局的な翻訳

今日は早起きして明日の授業の予習を午前9時前に済ませたので、あとはずっと論文を書いている。英語で書いているとどんどん論旨がシンプルになってゆくような気がする。それもまたよし、わけがわからない文章より百倍よい。ところで、先ほど宮城教育大学から…

4年半たってもまだ論文にしていないネタ

Miwa Akira, Trans. Light, Wind and Dreams (Hokuseido Press, 1965)が教育大函館分校から届く。また教育大函館である。なぜか私が読みたい本は函館にあるようだ。早速コピー、'Translator's Preface'を読むと、この翻訳書の初版は1962年だが、この年はサモ…

落ち込む

その昔、サイードの『オリエンタリズム』が話題になっていた頃のアメリカでは、“オリエンタリズム”が一種の踏絵になっていた云々という文章を読んだ記憶がある。翻訳者の今沢さんの文章だっただろか、板垣さんのものだっただろうか、忘れたが。そのときは「…

Forty Days in Quelpart Island

British LibraryからMalcolm P.Anderson, "Forty Days in Quelpart Island"が届く。さあ読むか、と思ったら、一ページ抜けている!毎日大量の文献を処理するから仕方ないのか。 まあいいや、とりあえず"Ichikawa"という文字があるぞ、さっそく読むか。・・・…

文献学萌え

小野茂『フィロロジスト――言葉・歴史・テクスト』(南雲堂、2000年)の212ページ、1930年にハイデルベルク大学の初代英語英文学教授であったJohannes Hoops (1865-1949)を訪ねたとあり、その際Hoopsが元来植物学を志していて学位論文、第二の論文も植物に関す…

読書録

亀山健吉『言葉と世界――ヴィルヘルム・フォン・フンボルト研究』(法政大学出版局、2000年)とピエール・ガスカール、沖田吉穂訳『探検博物学者フンボルト』(白水社、1990年)読了。後者はヴィルヘルムの実弟アレクサンダーの伝記。比較言語学と博物学をそ…

札幌で本を買いますた

週末は札幌の紀伊国屋、丸善、旭屋書店で本を購入。 太田好信『民族誌的近代への介入』(人文書院、2001年)と古谷嘉章『異種混淆の近代と人類学』(人文書院、2001年)は、人文書院の「叢書 文化研究」という新シリーズの第一巻と第ニ巻。九大のパワー全開…

読書録

ペーター・スローターダイク(仲正昌樹編訳)『「人間園」の規則――ハイデッガーの『ヒューマニズム書簡』に対する返書』(御茶の水書房、2000年)、〈金髪碧眼の野獣〉との関係があるハイデガーのヒューマニズムを問い直す試み。大学院の授業で使えるか。 小…

読書録

船橋洋一『あえて英語公用語論』(文春新書、2000年)、「日本は今世紀も経済大国であるべき」という前提がある本。 鄭讃容(チョン チャンヨン)『英語は絶対、勉強するな!』(サンマーク出版、2001年)、最初の部分をざっと読んだだけだと國弘正雄の主張…

Katy Lied

Steely Dan, Katy Lied [digitally remastered version], 1999が届く。Katy Liedアーティスト: STEELY DAN出版社/メーカー: POLYG発売日: 2000/03/27メディア: CD クリック: 5回この商品を含むブログ (14件) を見る僕のケチなミニコンじゃこれまでのCDとは対…

マリノフスキー

Bronislaw Malinowski, Argonauts of the Western Pacific(1922; Waveland Press, 1984)が届く。中島敦、スティーヴンソン、そしてクリフォードを読むんだから、買っておいた。Margaret Drabble, Ed. The Oxford Companion to English Literature (Oxford UP…

読書録

The Works of R. L. Stevenson, "Tushitala Edition"。中島敦が『光と風と夢』を書くとき使ったやつ。Barnes & NoblesのOut of Print Booksで探していたら、全35巻で298弗のオファーがあったので購入。到着は来月か。送料を含めても307弗。31000円強は激安。…

宮台さん&リカちゃん先生

少年たちはなぜ人を殺すのか―気鋭の社会学者と精神科医が相次ぐ少年事件の深層に迫る! 対談集作者: 宮台真司,香山リカ出版社/メーカー: 創出版発売日: 2001/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (9件) を見る宮台が北海道出身の…

『地獄への道はアホな正義で埋まっとる』

宮崎学『地獄への道はアホな正義で埋まっとる』(太田出版、1999年)。〈中坊公平〉についての基本文献だと思うが、著者の"megalomaniac"ぶりがちょっと目立つ。

True History of The Kelly Gang

Peter Carey, True History of The Kelly Gang (Faber, 2001)について、TLS (Jan.5, 2001)の書評(Peter Porter)はわりと批判的で、反イングランド闘争の闘士としての"Irish" Kellyを強調する(やはりアイリッシュ係の)ケアリーは、なぜ今、アングロ・サクソ…

岩田さんの中島論

大学の仕事も一段落。今週いっぱいはスティーブンソンと中島敦を集中して読む。前者の書簡集と中島の『光と風と夢』との対応関係を綿密に調査したのが、中島の親友にして小樽高等商業学校(今の小樽商大の英語教師だった岩田一男。彼の仕事のおかげで、僕の…

拓殖大学

某中曽根氏、某村上元参議院議員。二人を結ぶのは「拓殖」。前者は拓大設立に深い関係(なんてもんじゃない)があるし、後者は拓大応援団長だった。「拓銀」が消えたあとは「拓大」なのか?(意味不明だ)

続・『東京人類学雑誌』

マジで僕はボケているのかもしれない。 昨日『東京人類学雑誌』については「私は筑波にいる時にすでにこの雑誌にはだいたい目を通していて」云々と言っていたが、前言撤回する。岡倉の方言調査方法論文が掲載された号のわずか二号あとの『人類学雑誌』に「東…

『東京人類学雑誌』

十勝では三月にドカ雪が降るとよく言われる。そのとおり、今日は猛烈に雪が降っている。温泉にでも行こうかと思っていたのだが、面倒になってきたな。 結局「岡倉論文」はまぼろしだった。畜大図書館にあったのは『東京人類学雑誌』で、これは東京帝大の坪井…

「済州島紀行」

岡倉由三郎の仕事について紀要論文を書いた。多分4月には活字になるだろう。このHPでも読めるようにしたい。で、この論文を書くときどうしても見たかった資料が、若き日の岡倉が書いた「東洋言語学」についての論文だった。これ、国会図書館に行くしかないか…

Lukather & Carlton

Steve Lukather & Larry Carltonが4月13日に札幌でライブをやるとのこと、スケジュールが空けば是非聞きに行きたい。 ルカサーさんといえばTOTO、実はTOTOはそれほど気合を入れて聞いていたわけではないので実はそれほど興味はないのだが(とはいえボズ・ス…

Showbidz Kids

Steely DanのベストアルバムShowbiz Kids(今月21日発売予定)に名曲"Your Gold Teeth II"(Katy Lied)が収録されていないことくらいケシカランことはない。" title="ショウビズ・キッズ : ザ・スティーリー・ダン・ストーリー">ショウビズ・キッズ : ザ・ス…