拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

True History of The Kelly Gang

Peter Carey, True History of The Kelly Gang (Faber, 2001)について、TLS (Jan.5, 2001)の書評(Peter Porter)はわりと批判的で、反イングランド闘争の闘士としての"Irish" Kellyを強調する(やはりアイリッシュ係の)ケアリーは、なぜ今、アングロ・サクソン系オーストラリア人に対して、アイルランド系としての「憤り」を語らねばならないのか、彼自身はオーストラリア随一の小説家として広く承認されているんだからもういいでしょうよ、という論調。例えばアボリジニの立場から考えれば、ケアリーの「憤り」なんて自分勝手なもんだとなるだろうか。とはいえ即断は避け、北海道の和人の子孫として、この小説をじっくり読むことにしよう。*1

*1:翻訳が出ている。[2006/11/16]

ケリー・ギャングの真実の歴史

ケリー・ギャングの真実の歴史