拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

2000-03-01から1ヶ月間の記事一覧

戦時下の文学

木村一信編『戦時下の文学――拡大する戦争空間 文学史を読みかえる④』(インパクト出版会、2000年)が畜大生協に届く。例によってパラパラめくる。と、「元皇国少年櫻本富雄に訊く」(聞き手:吉川麻里)という文章が目に入ったので読んでみる。戦時下の文学―…

「昭和の日」

「爺狡」が4月29日の「みどりの日」を「昭和の日」に変えることを画策しているらしい。日清戦争に始まる日本のアジア侵略の結実としての15年戦争、その責任を果たさずうやむやにしてきた「昭和」という長い時代について考える日にしよう――というわけではない…

河盛さんのこと

フランス文学者の河盛好蔵さんが亡くなった。97歳というから大往生である。 僕は英文学専攻なのだけれど、河盛さんの名前には注意している。コンラッド『闇の奥』について論文を書いた時、アンドレ・ジッド『コンゴ紀行』についても触れたが、この紀行文の翻…

おめでとう

土曜日は名古屋で弟の結婚式に出席、司会をさせられかなり気疲れ、しかし無事に終了し、ほっと一安心。仁、紀巳子さん、どうぞお幸せに!今の気分は'Good Times, Bad Times' (Led Zeppelin)というところ。 日曜日は名古屋ボストン美術館で「岡倉天心展」を見…

Can't Buy A Thrill

3月の雪。名古屋に行けるだろうか。 最近はSteely Danばかり聴いているのだけれど、今週は、むかーし聴いたあと、ほったらかしていたCan't Buy A Thrill (1972)のCDがひっきりなしに回転している。フェイゲン&ベッカーによるデジタルリマスター版なので、最…

Martin Amis, 'State of England'. ロンドンのクラブの用心棒、Big Mal。奥さんはアジア系、周囲にもアジア系移民が多い。北米中産階級都市住民の目から見るとちょっと奇妙なロンドン人Big Malの生活記録、すなわち「イングランドの現状」というわけだ。しか…

ビタミン剤の大量摂取とアルコール消毒のおかげで、今朝になってのどの痛みがだいぶおさまった。今日一日おとなしくしていれば大丈夫だろう。'What A Shame About Me'Two Against Natureの二曲目。作家志望の男が(たぶん)別れた女に「私、ハリウッドではう…

とうとう風邪をひいてしまった。熱はそれほどないようだが、のどが猛烈に痛い。つばを飲み込めない。頭もボーっとしている。仕方がないので、INA氏のアドヴァイスどおり、熱いうどんを食べ、蜜柑・・・がなかったので、そこらにころがっていたビタミン剤を飲…

ゴンブロービッチ

昔、小樽商科大学にいた頃、コンラッドの『闇の奥』で卒業論文を書くために北沢書店に注文した本がJacque Berthoud, Conrad (1978)とJoseph Conrad: A Reassessment (1976)だった。後者にはEdward Said, 'Conrad and Nietzche'という論文があった。読んでは…

Two Against Nature

週末は札幌で買書三昧。ついでにSantana, Supernatural (1999)とSteely Dan, Two Against Nature (1999)、他にダンの昔のアルバムのデジタル・リマスター版を数枚購入した。 Supernaturalはふつうのロックアルバムであり、それ以上ではない。わざわざ買う必…

松浦寛『ユダヤ陰謀説の正体』(ちくま新書、1999年)。反ユダヤ主義がなぜおこるのかについての説明は、なぜか一度も言及がないサルトル『ユダヤ人』(岩波新書)以上のものではない――共同体意識を強化するために、〈ユダヤ人〉であるところの存在をでっち…

"We always solo and never solo."

このページの一番上、タイトルの横のスペースに、"Let the word be postcolonial!"と"We always solo and never solo."という二つのフレーズが交差して走っている。前者は、ポストコロニアル批評関係の情報サイトを目指している(最近は〈英文学〉サイトにな…

英語とアート

何年前だろうか、友人のKさんがエドワード・サイードのインタビューを訳した時、私もちょっと手伝ったことがある。インタヴュアーはMichael Sprinkerという人であった。この人はEdwar W. Said: A Critical Readerの編集者ということで名前は知っていたのだけ…

グールドを聴く

研究室の模様替えをした。どの研究室にも置いてある木製収納だなが二つもあって、結構邪魔である。そこでコンピューターとプリンターを入れてラック代わりに使うことにした。ごちゃごちゃした配線が見えなくなっただけでも大成功である。ただ、熱がこもって…