拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

"We always solo and never solo."

このページの一番上、タイトルの横のスペースに、"Let the word be postcolonial!"と"We always solo and never solo."という二つのフレーズが交差して走っている。前者は、ポストコロニアル批評関係の情報サイトを目指している(最近は〈英文学〉サイトになっているけれど)当ページとしては、まあふつうだろうと思う。
では後者は?ジョセフ・ザヴィヌル!この名前を知って感涙するあなたは20代ではないでしょう。奇跡(狂気)のベーシスト、ジャコ・パストリアス、マイルスの知恵袋ウェイン・ショーター、パワフルなドラマー、ピーター・アースキンなんかがが在籍していたWeather Reportなるバンドのバンマスがザヴィヌル翁である。その彼がグループの第一作目Weather Report (1971)を出した時、語った言葉が"We always solo and never solo"。この言葉がなにを意味しているか知りたい方は、お願いですから、Miles Davis, Nefertiti (1967)とWeather Report, Mr. Gone (1978)を買うか友人から借りて、どちらのアルバムにも収録されているショーターの傑作"Pinocchio"を聴き比べてください。前者がまだ各楽器が順番にソロをとるというスタイルなのに対して、後者は各プレイヤーが勝手にプレイしながらも(we always solo)しかしテーマをどこかで意識している([we] never solo)という演奏になっている。かつて流行った「フュージョン」の理念を語った言葉なのだろうが、しかしこれはインターネット時代の人と人との関係を語るのにぴったりだとも思うのである。*1

Nefertiti (Reis)

Nefertiti (Reis)

Mr Gone

Mr Gone

*1:この言葉は今だに私のHPのトップをかざっている。[2006/07/12] http://www003.upp.so-net.ne.jp/hspstcl/index.htm