拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

2014-01-01から1年間の記事一覧

 ごあいさつ

本日(28日)、つくば市から某所に移動して、年末年始は引きこもって休養します。今年もTwitter上やFacebook上でおつきあいくださった方々には、これで年末年始のご挨拶に代えさせていただきます。今年もいろいろお世話になりました。来年もどうぞよろしくお…

核とフォークナー『寓話』

卒論・修論・博論関連が重なって、カゼもひいてしまって、でも無理して茗荷谷まで行ってよかったのでした。というのは、Oさんによるフォークナー『寓話』論を聞けたから。時間がなくて、ズルをして、岩波文庫の阿部知二訳で予習をしたのだが、そうそうフォー…

[紹介[研究]トリートの「核批評」批判とレイ・チョウ

レイ・チョウの新しい翻訳『標的とされた世界』標的とされた世界: 戦争、理論、文化をめぐる考察 (サピエンティア)作者: レイチョウ,Rey Chow,本橋哲也出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2014/11/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る…

『憂鬱なる党派』は(私には)面白い

いま、院の授業でゆっくり読んでいる(Eliot, "Ash Wednesday"なんかが引用されているのだった)、原爆文学という枠で(も)論じられる高橋和巳の『憂鬱なる党派』(1965年)は、広島で被爆した主人公の西村が(一応伏せてあるが)京都大学で英文学を研…

役に立つ英文学

もう四半世紀前になりますが、「なんで英文学なんかやっているの?」と尋ねられて、明快に答えることができなかった私は、博士論文まで書いて、英文学が役にたった具体例を調べたのです。例えば、日露戦争のとき、『英語青年』は頑張って戦意高揚をやりまし…

スペンダー広島講演会(1957年)についてのメモ

Stephen Spender, "Problems of Modern Poetry"について今週木曜日に「予行演習」をさせていただくわけですが、あいかわらず泥縄作業中。そんな中、Facebook経由で以下のNHKの番組の重要性を知った。いや、私も録画はしているんですが、やっぱり見ておかない…

冷戦読書会>Alive

今日の午後3時から第47回(!)の冷戦読書会がありまして、最近齋藤も参加させていただいております。冷戦期の日本の英米文学者と〈アメリカ〉との関わり(特に「核」)を勉強し始めているところなので、まさにうってつけであるわけです。 ここ最近のネタは…

泥縄でスペンダーの勉強中

11月アタマにアメリカのピッツバーグでスティーブン・スペンダーについて話をするので、泥縄で勉強中です。Journals 1939-1983を買ったりとか(徳永暢三訳で『スティーヴン・スペンダー日記 1939ー1983』というのが出ていた)、雑誌Encounterについての論文…

「スペンダー、ジョイス&エリオット、広島」のメモ(上記エントリーの補足)

スペンダーの日本訪問(1958年)が、その3年前のフォークナー日本訪問、さらにはスペンダーがJournalに書いているように、エドマンド・ブランデンやD・J・エンライトが日本を訪問して(スペンダーに言わせれば彼ら、特にブランデンは「神格化されている」と…

『文学理論をひらく』&『革命の芸術家』

筑波大学の夏期休暇は8月と9月。しかし8月は正直校務でつぶれたのでした。9月の3週目は学会三昧+α。あと2日になってしまった…。ギアチェンジをするのが億劫な月曜日ですが、どーんとした頂き物がメールボックスにありました!革命の芸術家 C・L・R・ジェー…

Songs of Innocence (U2)

U2のよいリスナーではない私だが、iTunesに勝手に?入っているらしいから聴いてみようと思う。ブレイクの詩&絵は好きだし。 http://www.theguardian.com/music/2014/sep/14/u2-songs-of-innocence-review-itunes-danger-mouse-bono 次作がSongs of Experien…

筑波大学比較・理論文学会公式ブログ

筑波大学大学院文芸・言語専攻総合文学領域の院生・卒業生・教員を中心とする「筑波大学比較・理論文学会」の公式ブログができました。(というか、院生につくってもらいました。) http://tkbhikakuriron.hatenablog.com/ これから徐々に広報活動も本格化し…

つくバック

10日の午後に東京に戻りましたが、次の日豪雨になるとは…。私の実家の隣の区画も避難勧告が出たとか。大きな災害にならないように祈るばかりです。 毎度のことながら、持って行った本は半分しか読め(ま)ず、昨日からせっせと宿題をこなしております。 あと…

研究する2週間

8月24日の大学説明会(比較文化学類)も無事終了、成績も出して、院生面談も終了。ようやく落ち着いて本を読める(泣)。私と朝鮮作者: 小田実出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1977/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るUlysses (Gabler E…

『ユリシーズ』と『荒地』

昔読んだ本を引っ張りだしてきての再読。『荒地』初稿からコンラッドへの言及が消えたこと、これ、ベタな言い方にあるが、アフリカ(におけるヨーロッパ植民地主義表象〜イングランドとアフリカとのつながり)の抑圧ということも考えないといかんですよね。…

「跨境する文学」!

名古屋大から日比さんをお呼びして、つくばの比較文化学類の集中授業を担当していただいている、その前半が終了しました。題して「跨境する文学ーー近代から現代まで」。内容は、「日本文学」の「跨境」であり、「日本文学」のインフラ(ってのは私の言葉だ…

第45回原爆文学研究会

2日と3日に名古屋大学で開催された会ですが、私は3日のみ参加して、井伏鱒二『黒い雨』と重松静馬『重松日記』を比較しつつ、重松は寡黙ではなくむしろ演説好きなこと、その内容がなかなかねじれていること、そしてこうしたことが井伏による「日記」の小…

春学期授業終了、夏の業務開始

昨晩、春学期の授業は終わった。レポートは10日〆切(院はもうちょっと遅い)にしたわけだし、週明けからは博論の指導やら集中授業のmanagement、8月24日の大学説明会(比較文化学類)の仕切りなどがあり、ぶっちゃけ8月は全部つぶれる。毎度のことである。…

海老根・高橋編『一九世紀「英国」小説の展開』

はてなから通知があったので、それに対応したついでに更新。一九世紀 英国 小説の展開作者: 海老根宏,高橋和久出版社/メーカー: 松柏社発売日: 2014/06/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る海老根先生のもとで学んだ方々の手になる論集。寄…

ニコラス・ロイル『デリダと文学』

訳者のお二人からお恵みいただきました。ありがとうございました!デリダと文学 (叢書・エクリチュールの冒険)作者: ニコラス・ロイル,中井亜佐子,吉田裕出版社/メーカー: 月曜社発売日: 2014/06/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3…

父の日

父ではない自分にとって、父の日といえば亡き父のことをぼんやり想うということになるのだが、とにかく夕張での経験を聞いておきたかった。ただ、夕張によい思い出はないとも言っていたので、自らの貧困のこと、特に学力的には問題なかったのに大学に行けな…

E君からハインライン『自由未来』

人間相手のお仕事はたぶん私には向いていないのでしょう、疲労ばかりが募る日々ですが、たまにはいいこともあったりします。昨日、百香亭大学店で夕飯を食べたあと研究室に戻ったら、ドアのところにロバート・A・ハインライン『自由未来』の邦訳(早川書房、…

英文学会第86回大会@北大に行ってきました

先週末の札幌の空気は爽やかだったなあ…。それにひきかえつくばのry) 初日のシンポは「17世紀の演劇と科学」を大いに楽しみました、というか全然知らないネタばかりなので大変勉強になりました。Browneは難しそうだがなあ…。ああいうのを聞いちゃうと、も…

アイドル写真、今と昔

授業の予習が案外はやく終わってしまったので、ブログ更新。 筑波大学出身の演劇研究者、笹山敬輔さんのご著書、幻の近代アイドル史: 明治・大正・昭和の大衆芸能盛衰記 (フィギュール彩)作者: 笹山敬輔出版社/メーカー: 彩流社発売日: 2014/05/15メディア: …

ブログを続けるのはキツイなあ

要するに忙しいので、なかなかこちらは更新できませんが、やめるつもりもありません。ツイッターとかフェイスブックとかでつぶやいたり書いたりしたことがこちらに「自動的に」反映できればいいのですが。逆はありますけど。 ともかく今週末は札幌であります…

誕生日を祝っていただきました!

昨日は、私の誕生日の一日前。ということで、戦後沖縄の英文学について発表したあと、院生さん3人、H先生、Iさんにお祝いをしていただきました。 ケーキまで用意していただきました。みなさん、本当にありがとうございました!!!!!(←人数分) 本日で私…

もう4月17日、野崎孝の調査は打ち止め

会議とか引き継ぎとか授業とか調整とか、結構くたびれているけれど、それはもうしゃあない。問題は今月末〆切の英語論文。議論は「まあこんなものでしょ」状態、あとは来週末に英語の直し依頼→提出でもいいのだけれど、野崎孝についてもっと調べたいが時間が…

「都立英文」関連、つくばには(あまり)ない!

必要があって都立英文の雑誌『Metropolitan』の70年代以降のものをざっと読みしたいと思ったのだが、筑波大学中央図書館にはない。近場だと、茨城大学にはある。が、図書館改装中らしく閲覧ダメっぽい。おとなしく、南大沢までいくかなあ。

アート対ジャーナリズムーースペンダー「現代詩の諸問題」覚え書き

3月の出張連チャンも今日で終わり。広島空港には2時くらいにつけばいいから、覚え書きをちょろっと書いて、桜でも観に行きます。 当初は清水春雄の1948年の卒論を見てこようと思ったのだが、その前に中央図書館の2階にある「フェニックス文庫」に昔の紀要が…

コーネル・ウェスト『民主主義の問題』

民主主義の問題: 帝国主義との闘いに勝つこと作者: コーネルウェスト,Cornel West,越智博美,松井優子,三浦玲一出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2014/02/13メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る翻訳者のみなさまからご恵贈いただきまし…