拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『憂鬱なる党派』は(私には)面白い

いま、院の授業でゆっくり読んでいる(Eliot, "Ash Wednesday"なんかが引用されているのだった)、原爆文学という枠で(も)論じられる高橋和巳の『憂鬱なる党派』(1965年)は、広島で被爆した主人公の西村が(一応伏せてあるが)京都大学で英文学を研…

役に立つ英文学

もう四半世紀前になりますが、「なんで英文学なんかやっているの?」と尋ねられて、明快に答えることができなかった私は、博士論文まで書いて、英文学が役にたった具体例を調べたのです。例えば、日露戦争のとき、『英語青年』は頑張って戦意高揚をやりまし…

スペンダー広島講演会(1957年)についてのメモ

Stephen Spender, "Problems of Modern Poetry"について今週木曜日に「予行演習」をさせていただくわけですが、あいかわらず泥縄作業中。そんな中、Facebook経由で以下のNHKの番組の重要性を知った。いや、私も録画はしているんですが、やっぱり見ておかない…

冷戦読書会>Alive

今日の午後3時から第47回(!)の冷戦読書会がありまして、最近齋藤も参加させていただいております。冷戦期の日本の英米文学者と〈アメリカ〉との関わり(特に「核」)を勉強し始めているところなので、まさにうってつけであるわけです。 ここ最近のネタは…

泥縄でスペンダーの勉強中

11月アタマにアメリカのピッツバーグでスティーブン・スペンダーについて話をするので、泥縄で勉強中です。Journals 1939-1983を買ったりとか(徳永暢三訳で『スティーヴン・スペンダー日記 1939ー1983』というのが出ていた)、雑誌Encounterについての論文…

「スペンダー、ジョイス&エリオット、広島」のメモ(上記エントリーの補足)

スペンダーの日本訪問(1958年)が、その3年前のフォークナー日本訪問、さらにはスペンダーがJournalに書いているように、エドマンド・ブランデンやD・J・エンライトが日本を訪問して(スペンダーに言わせれば彼ら、特にブランデンは「神格化されている」と…