拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

Can't Buy A Thrill

3月の雪。名古屋に行けるだろうか。
最近はSteely Danばかり聴いているのだけれど、今週は、むかーし聴いたあと、ほったらかしていたCan't Buy A Thrill (1972)のCDがひっきりなしに回転している。フェイゲン&ベッカーによるデジタルリマスター版なので、最近発売のCDにひけをとらないほど音が良いということもある。しかし、何よりも、このアルバムには駄作がない。「玉石混交」のCountdown To Ecstasy (1973)やPretzel Logic (1974)とはえらい違いだ。F&Bがデビュー前(1968-1971)にコツコツ録音していた曲を集めたFounders of Steely Danという編集アルバムがある。かなりキツいクズ曲もあるけれど、しかし彼らはいずれ訪れるであろうデビューめざしてかなり曲を練っていたことがわかる。
ところで、実はもっと驚いたことがある。僕はいわゆる「サザン・ロック」という奴が全然だめで、そのせいもあるのか、例えばDoobie Brothersの初期のアルバムとかを敬遠していたのだけれど、Can't Buy A Thrillに入っている'Midnight Cruiser'と'Dirty Work'を聴いて、考えを少し変えた。この二曲は本当にいい。後者の歌詞はかなりドロドロなんだけど。なぜいいのかな、今も聴いているのだけれど、フェイゲンが弾くオルガンの音が美しいからかな。*1

Can't Buy a Thrill

Can't Buy a Thrill


先週は朝から晩まで猛烈に岡倉論(と博論)のための作業ばかりしていた。そのせいか、今週はあんまりやる気がおこらない。でもただ単に疲れただけじゃないなく、だらだらしているのには別の理由がある。最近アップした〈英文学〉関係の文章は、本当に同じ事のくだらない繰り返しばかり。もう僕の頭の中では、この〈英文学〉プロジェクトはとっくに終わっていて、もうその次をやらなきゃならないはずなのだが、まずは〈英文学〉研究を博士論文として発表するという、非常に消耗する後ろ向きの作業のみが待っている――そんな気がしてならず、非常に憂鬱なのである。

*1:今はCountdown To Ecstasyばかり聴いている。[2006/07/12]