拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

英文学はおもしろい

なぜならおもしろくないから。具体的に言うとこれこれこうだからなのだ――という著書が出版されるのを期待していた頃がありましたが、『抵抗の場へ―あらゆる境界を越えるために』を散歩の途中に読了して、それはまああり得んことだったのだと感じたのでした。
メトロポリスに憧れる辺境の遅れた帝国臣民の知的営為ってのは、私にとっては素でおもしろいし、私以外の・日本国外の・将来の人たちにとっても「おもしろい」と思う。まあinterestは感じることがあるでしょう、成功例あるいは失敗例として。ただ、政治化して環境問題と階級問題を猛然とやっているというミヨシさんにとっては、「英文学」に関わっているヒマはないのだろうな。
対談者の吉本さんも、無理に東大ネタや英文学ネタをふらないで、ミヨシさんの現在の関心である環境問題、そのコアな発想が書かれているという(2005年に立教大学で発表された)"The University, the Universe, the World, and "Globalization"'という論文についてねっちり聴いたらよかったのではないか。