拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

読書録

The Works of R. L. Stevenson, "Tushitala Edition"。中島敦が『光と風と夢』を書くとき使ったやつ。Barnes & NoblesのOut of Print Booksで探していたら、全35巻で298弗のオファーがあったので購入。到着は来月か。送料を含めても307弗。31000円強は激安。有名なbibliofindでは"200"という数字を発見、お、安いなと思ったら単位は「ポンド」、気をつけましょう。エディンバラの古本屋だった。それでも日本で買うよりはるかに安いが。もちろんProject GutenbergでVailima Lettersも読めるのだが、モニターやプリントアウトで読むのはまっぴら、やっぱり「本」で読みたい。

村上龍『「教育の崩壊」という嘘』を生協で見かけた。彼の新しい小説『タナトス』も。買おうか?

中島敦「マリヤン」(彼の南洋モノの一つ、近年ポストコロニアル研究の中で再評価されつつある)のモデルについての文章を読んだ。ピエール・ローティ的な南洋セックス幻想を批判する岩波文庫愛読者&中島にほのかな想いをよせる「マリヤン」のモデルとなった女性は実は王族の一員で、戦後は唯一の女性議員として活躍したとか。『中島敦研究』(筑摩書房、1978年)を参照。

姜尚中宮崎学『ぼくたちが石原都知事を買えない四つの理由。』(朝日新聞社、2000年)。買っておいてよい石原批判本。一読して、文学者は石原の作品をきちんと検証しなければとあらためて思う。

切通理作『ある朝セカイは死んでいた』(文藝春秋、2001年)。「異形の君へ」(pp.191-207)が重要。