拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

落ち込む

その昔、サイードの『オリエンタリズム』が話題になっていた頃のアメリカでは、“オリエンタリズム”が一種の踏絵になっていた云々という文章を読んだ記憶がある。翻訳者の今沢さんの文章だっただろか、板垣さんのものだっただろうか、忘れたが。そのときは「踏絵?ハァ?」だったけれど、要するにアメリカ国内でパレスチナ擁護に回るかイスラエル支持を表明するかという問題だったわけだ。今ではアフガニスタン戦争支持派と反対派にとってナイポールが踏絵になっているようだなあ。
ところで、最近、どうも落ち込むことが多い。ずいぶん前に、尊敬する先生が「俺は研究と私生活で行き詰まって本気で自殺したいと思ったことがある」とおっしゃったことがあって、その時はずいぶん驚いた。最近その先生の発言を妙に生々しく思い出す。*1疲れているのかなあ。
そうだ、この感覚、忘れていたけれど、エセックス大に留学する前の半年間、あれだ。*2留学準備、英語論文執筆、トフル勉強等々、本当にめちゃくちゃに忙しかった。あの時は夜中に心臓がバクバクしはじめて、俺死ぬかもしれないと不安になり、なぜかHさんのところに電話して、それから病院にいったっけ(あの時はお世話になりました!)。結局単なる疲労と体重増えすぎということだった。そうそう、あの時の状態に少し近いな、今は。

*1:心労でひっくり返ったのはこの1年後だが、すでにこの時点でアタマが逝っている。[2006年3月13日]

*2:1995年12月頃。このときは真夜中にHさんを電話でたたき起こして、自分は勝手にタクシーで筑波メディカルセンター病院へ行ったのだった。[2006年3月13日]