拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

鴨川つばめ『マカロニほうれん荘』全3巻(秋田書店、1994年)

やっぱり編集された文庫本ではなくて、高くても最初のコミックを買っておくんだった。ツェッペリン『聖なる館』のパロディー扉絵とかがない。無念。できるだけ初出で読まなければという鉄則はちゃんと守らねばいかん。
仕事が終わった後、超特急で読み通したが(というか、ネタはほとんど覚えていたが)、異様なまでに軍事ネタが多いのには驚いた。もちろん25年前に読んだ時もそう思っていたのだが、例えば沖田そーじが「Nazi」というロゴ入りトレーナーを着ていたり(これじゃネオナチだ)、僧侶のコスプレをしたトシちゃん25歳が放火したり(これは僧侶焼身自殺@ベトナム戦争だろうな)。なんというか、不謹慎というレヴェルまでイッている。
これを小学生の時に読んで死ぬほど笑っていたんだから、なんだか申し訳ないような気がしてきた。

この作品の前に、同郷の漫画家が描いた下宿モノ『男おいどん』(1971〜73年)があったわけだから、鴨川青年はこれくらいキレなければ売れなかったのかもしれないと想像すると、マンガの世界というのは本当に厳しいのだなと痛感する。