拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

根室の人

柳瀬尚紀さんは高三まで根室にいたんだそうだ。ここからいきなり早稲田大か。いろいろ大変だったんだろうな。

ぼくなんか、自分の日本語はちょっとでたらめじゃないかなという意識がずっとあるんですね。北海道の東のはずれ、根室で生まれて高校三年まで根室なわけで、窓を開けると、まあ天気のいい日には対岸の島のロシア兵が見えるというような国境の町です。
 北海道というところは、方言が東北ほど強くはないように思います。ただ、アクセントがまるで違う。いまならぼくは「やなせ」ですと、平板にいうわけですが、北海道では誰一人そうはいわない。「やなせ」と「な」に力点がくるんです。あるいは東京では「おやじ」ですが、北海道では「おやじ」なんですよ。そうすると、東京に出て来たときに、自分の固有名詞が拉致されるという経験をしたんですね。

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