拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

不幸な事態

博士論文を査読する側にとって看過できない出来事が生じているようだ。http://d.hatena.ne.jp/hanak53/20061110
マンガ研究で博論を書こうとする若い奴はウチの院にもいるわけだが、そういう奴の博論の査読は必ず外部の専門家に入ってもらう。
これは、マンガ研究者がいない筑波のスタッフではテニヲハの直しや議論の運びなどの基本的なことしかチェックできないということもあるが、なにより博論執筆者が博論をステップとして研究者として生きていくための通過儀礼(分野の先人とのガチンコの対話)が必要だからだ。当然ですな。で、問題となっている本はこういう通過儀礼を経ているはずなのに・・・というわけなのだ。例えば私ですら呉さんの本は読んでいるのだが。
本人は謙虚に一から出直すしかないだろうが(厳しいとは思うが)*1、博論を出した方がこれからどうなるか。注目していきたい。人ごとではない。

*1:これを書いた時点では、私は問題となっている本の著者がどういう人か気づいていなかった。