拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

エドワード・W・サイード『戦争とプロパガンダ』1〜4、みすず書房

中野真紀子さんのサイトで読んだつもりになっていたのだけれど、やっぱり全部買わなきゃと思い、どかっと買いました。

第2巻「この先を考える」から

唯一の超大国が支配する世界においては、その超大国を熟知し深い知識を獲得することなしには、政治的に機能し責任をとろうとしてもまったく無意味である。アメリカについて、その歴史、制度、潮流と奔流、政治と文化についての知識を備えること、そして何よりも完全に使いものになる言語力が不可欠なのだ。アラブ諸国にありがちなように、わたしたちのスポークスマンの話しぶりは、情けないほどたどたどしいお粗末な英語で、アメリカについて愚劣きわまりないことをしゃべり、そのお情けにすがり、ののしったかと思えば、またすぐ助けを請うという、泣きたくなるほど情けない初歩的な無能をさらけだしている。アメリカは一枚岩ではない。わたしたちの友人もいるし、これから友人になってくれそうな人々もいる。わたしたちの解放運動の一環として、合衆国におけるわたしたちのコミュニティと彼らが所属するコミュニティを開拓し、動員し、利用することは可能なのだ。

英語を鋭く鍛えておかなくてはダメってことですね。