拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

「ちびくろサンボ」を思い出す

懐かしいマンガ『サイボーグ009』全巻を読み返してみて、あらためて思ったのが、例の「ちびくろサンボ」の問題だ。『009』最後の作品、「緊急シミュレーション1992」(『産経新聞』1992年1月1日)の008ピュンマが、なんというかアフリカのフツウのオジサンになっていたのに驚いた。ちなみに、今手元には秋田書店版文庫22巻があるのだが、この「シミュレーション」の前には「裸足のザンジバル」(『少年チャレンジ』1978年4月)が掲載されていて、これはおなじみのデフォルメされた大きな白いクチビルに団子鼻のピュンマである。「ちびくろサンボ」が問題になったのは1980年代末だったから、やはり石ノ森も意識したのだろう。しかし、「1992」のピュンマは、本当にオッサンくさいな。
で、テキトーにググっていたのだが、http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/Sambo.htmといったサイトも発見。ここでは「15歳以下の人はそもそも「ちびくろサンボ」を知らんだろう」云々との記述があり、そうだなあ、確かに絶版になったのは80年代末だから、今私が教えている学生はほとんどこの作品を知らないのだとあらためて気付かされる。