拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

間接的「恭順」ネタ、序論に苦しむ、美しい羅臼岳画像

明治の冒険科学者たち―新天地・台湾にかけた夢 (新潮新書)

明治の冒険科学者たち―新天地・台湾にかけた夢 (新潮新書)

毎日新聞』の書評で見かけたので読んだ。伊能嘉矩、田代安定、森丑之助の三人がメインなのだが、いずれも私にとってはなじみの名前。ずいぶん彼らの著書を読んだものだ。もちろん、台湾における《恭順蛮人》表象を探しての読書である。
この新書には《恭順蛮人》を含んだ一時資料からの引用はない。しかし、著者の柳本さんの文章の中にさりげなくこの言葉が出てくるのである。

児玉源太郎の後任として明治三九年に就任した第五代総督佐久間佐馬太は、原住民を武力をもって平定する五ヶ年計画を立てて、恭順の意思を表明しない部族を対象に次々と武器狩りを断行し、応じない場合には「討伐」に乗り出していた。(163頁)

「恭順」という言葉は、幕末〜明治関連文書では徳川慶喜に関して用いられたケースが多いのだが、明治後期〜昭和初期では植民事業ネタで出てくることが多いので、柳本さんも一次・二次資料を読む中で《恭順蛮人》という表現になじんでいたのではないか、などとと思いっきり我田引水的推測をしてみる。

今は大学の研究室で「序論」の草稿(結局、ここは書き直しすることにした)をこねくり回している。というか、今週はずっとこねくり回している。どうせ来週はこねくり回した文章を徹底的にそぎ落としていくのだろうが。

戯れにWikipediaで遊んでいたら、羅臼岳の大変美しい画像がうpされていたのに気がついた。先月の画像のようだ。柳瀬訳ではイアウィッカー一族が住んでいる?事になっている斜里の裏側、羅臼を象徴する山である。

疲れたので家に帰ろうと思ったら、asahi.comのトップに「駒大苫小牧聖心ウルスラと対戦 甲子園組み合わせ抽選」などという記事が出ているではないか。どうもまだ実感がわかないのだが、駒大苫小牧は去年夏の甲子園で優勝しているのだった。道産子の私には、それがどうにも幻覚のように感じられてしまう。
(つい最近までの)タイガースファンなんてまだ甘いな、と思うわけです。なにせウン十年、出ると負けだったんだから。

どうも最近鬱々としている。
ので、ラリー・カールトン&リー・リトナーのライブ動画を拾ってきて見ている。昔どこかで見たことがあるのだが、あらためて見てみると、ベースソロはうまいなあ。
前半だけなら私でもまねっこ位はできる、たぶん。しかし後半のRoom335のテーマをにおわせつつリズムを崩していく辺りはやっぱりプロの仕事。
ギターのお二人は相変わらず。