拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

ジョンソンとスコットランド

授業がないので、書類仕事はあるものの、少し時間に余裕がある(ような気がする)ので、ひさしぶりにHPやブログのデザインなどをいじっている。ちょっとほったらかしにしているウチにMixiだのアフィリエイトだのワカランシステムができていて、一生懸命理解すべく奮闘しているこの数日。

昨日は、筑波のEさんの博士論文の審査会であった。ジョンソンのスコットランド旅行記がお題なのだが、私にとって一番面白かったのは、ジョンソンを「理性の時代」から「ロマン派」への移行期の作家として読むというEnglish Literatureの伝統に従うと、彼のスコットランド旅行記、特にそこに書き込まれたジャコバイトへのいわばシンパシーを、ある意味で隠蔽しなければならなくなるということだ。実際、Eさんの博士論文は「これでこのスコットランド研究を終える」という言葉で終わっていた。そうなのか、これは「英文学」ではないのか、とご本人に聞いてみたら、「副産物」ですという返答が。瓢箪から駒、ということか。〈英文学〉者的には大変面白かった。

あと、ジョンソンがなんだかぶつぶついっていたらしいゲール語の聖書の話とか。これ、欽定訳からの訳だと思うが(ラテン語が得意なジョンソンはヴルガタじゃなきゃダメだとか言ったのだろうか?)、こういう重訳で「神のことば」って伝わるものなんだろうか→ああこういうときにバーバ「奇跡のしるし」を読んだらいいんだろうなとか思っていたのだった。