読んでもワカラン
On Late Style: Music and Literature Against the Grain
- 作者: Edward W. Said
- 出版社/メーカー: Pantheon
- 発売日: 2006/04/11
- メディア: ハードカバー
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「後期」が予定調和的なendではかならずしもないということを言いたいのだろうということはわかる。しかし、例えばアドルノ『ミニマ・モラリア』とか、シュトラウスの1940年代のオペラ(と、例えばウィーン派のヒンデミットとの違い)とかを論じられても、私には腹の底から分かった!という気には到底なれなかった。自分なりに格闘した素材ではないからである。
ジュネ論は、サイードが論じるジュネの文体の美しさとジュネの生き方のラディカルさの生産的な齟齬といべきものとか(とはいえ私は鵜飼訳の日本語でしか知らないわけだが)、70年代から80年代にかけてパレスチナ=テロリズムという等式が無茶苦茶に強かった時代にパレスチナ人を愛する、それを公言することのすごさとか、そんな彼と対照的にパレスチナのこをと全く言わなかったちょっとヘタレなサルトルのこととかが書いてあって、興味深く読んだ。