拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

紀伊国屋、ではない

5月22日。
英語一コマ。書類2種類。院合同授業。

東京ガールズブラボー 上巻 ワンダーランドコミックス

東京ガールズブラボー 上巻 ワンダーランドコミックス

をネタにしたSさんの発表が最初。『宝島』的な80年代の断罪と、岡崎さんによる(札幌出身設定)サカエさんの「トーキョー」に対する「少女の幻想」の微妙な擁護という流れの議論。私はパッパラパーな無反省のサカエさんに、同じ北海道出身で国家権力の最たる組織である警察官になる泉野明(byゆうきまさみさん)を対置したらいいんじゃないかとかテキトーなことをいう。
ところで、画像がでないのだが、そもそもこのコミックはJICC出版(今の宝島社)から出ているんでした。
もう一本は、ピエール・ロティさんの(超ムカツク)「江戸の舞踏会」を黄禍論(ただし日清戦争以前のそれ)で読もうという試みはMさん。これは黄禍論よりは進化論・人種論で読むのがある意味当然なのでそれを黄禍論までもっていくなら手続きが必要だろう云々の議論が。
5月23日。
移動日。
新幹線に乗ってすぐ駅弁とビールを飲んだので失神、気がついたら京都でした。そこから以下の本を読み始める。再読?再再読?
われらが「他者」なる韓国 (平凡社ライブラリー)

われらが「他者」なる韓国 (平凡社ライブラリー)

これの「ソウル東大門のボエティウス」を読みつつ考える。「ほかならぬわたしを結び目として、アメリカの夢を信じる一人の韓国の初老男とボエティウスの思いもよらぬ遭遇が実現された」(48)ことが、「知をめぐるわたしの観念をどのように変えただろうか」(57)と自問する四方田さんの思考に、私自身のこれまでの仕事とこれからの仕事のことについて考える。というか、来月末に小笠原ネタでしゃべるために、頭の中にたたき込んだ雑多な知識を整理する機械的な作業が必要なのだが、ついつい「本の発見」などというこういう方法論的エッセイを読んでしまうのは私のダメなところでしょう。もう小笠原ネタ諦めて、四方田さんのエッセイについてしゃべってもいいのかもなどと考え始めたり。
広島駅到着。駅ビル?の2階、ふらりと入ったお好み焼き屋で「毛利焼き」を食べるが、その店の名は「紀乃国屋ぶんちゃん」。本オタとしては感無量というか業が深いというか。