拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

茂吉

北杜夫(齋藤宗吉)さんが亡くなったわけだが、私もマンボウものや『楡家の人々』は愛読していて、実家にマンボウものは文庫本で全部あった。『楡家』はなぜか松本清張『日本の黒い霧』小松左京日本沈没』とならんで本棚に置いてあった。親父がベストセラーものとして買ったのだと思う。そういえば『資本論』もあったな。あれは拓銀の組合でいろいろやっているときに買ったのだろう。

『青春記』だっただろうか、辻邦生さんを尋ねたとき、辻さんがマンのテクストをカードに書き取り、細かく分析していた(マンのレトリックにはある種の円環構造がある云々)のを北さんが感心するというくだりがあったと思う。あれ、私も卒論でコンラッド『闇の奥』を書くときにやってみた。オリベテッィのタイプライターでバチバチHeart of Darknessの全文をカード化して、ネチネチ読んでいたのを思い出す。あそこから私の「英文学」修行が始まったんだなと思い出している。

「茂吉」というのは高校〜大学時代の私のあだ名。単に苗字が齋藤だから(笑)。ちょっと時代がずれていれば「副隊長」とか言われていたのだろうか。