拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

1951年の『英語青年』:Hiroshimaを日本で販売&教科書に

軍事占領末期の以下の記事、いろいろに「読める」と思います。

John Hersey: Hiroshimaの原書(B6 – 118頁、本クロース表紙上製本)が、東京千代田区富士見町法政大学出版局を通じて、特別に日本国内へ販売されている。これは、No more Hiroshimas運動に寄与し、世界の平和に貢献したいという原発行所Knopf社の篤志によるもので、値段も原定価$1.75のものを特に二百円で、採算を度外視して提供されている。教科書などに使用のための一括注文には、更に特別考慮が払われる由である。
(「片々録 ●「ヒロシマ」の国内販売」、『英語青年』1951年6月号、45(285)頁)

John Hersey: Hiroshimaがわが国で販売されることについては本欄でも既に報じたが、今学期から広島大学など八大学で教科書になつた。五月廿三日の朝日新聞はこれについて教授者側の意見を次のごとく伝えている。「中大の野崎孝教授は採用の理由を『生きた現代アメリカ語を教え、これにより平和を見つめたい気持ちから』といゝ、不採用の教育大の福原麟太郎教授は『この講義は約一年かゝり、空襲で人が殺されるのを毎時間教えるのは辛いという教授の意見が多かつた』と語つた。」
(「片々録 ●「ヒロシマ」教科書に」、『英語青年』1951年8月号、45(381)頁)