拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

白川英樹研究室にて

がまの油大学にいらっしゃった、このノーベル賞受賞者の(いかにも国立なしょぼい感じの)研究室は残されている。
http://www.kiso.tsukuba.ac.jp/outline/sirakawa.html
筑波大学に講師としてやってきた8年前かな、この部屋を訪れました。私は人文系の人間ですが、なにか惹かれるものがあったのです。で、来室者名簿がありまして、私の名前も書き込んできましたが、そしたら、亡くなった私の父親と一文字違いの方が署名していて、泣きました。子供が多かった時代の夕張でも評判の大家族だったという11人兄弟の三男坊で、無茶苦茶貧乏で、理系の頭があったのでたぶん北大あたりに行きたくて、だから一生懸命新聞配達してお金をためて、でも行けなかったというオレの親父も(自分が大学にいけなかったから、食えそうもない人文系の大学院に進みたいという私の話を聞いて、応援してくれたのでしょう)、きっとこういうところで一生懸命勉強したかったよね、研究したかったよねと思ったら、涙が止まらなかった。
お会いしたこともない白川先生のお名前を、今回の特定秘密法案のことでお見かけして、8年前のこのエピソードを思い出して、今も泣いています。
特定秘密保護法案に反対する学者の会に、白川先生のお名前があるのをみて(http://mainichi.jp/select/news/m20131129k0000m010094000c.html)、この8年前のエピソードを思い出しました。論理でもなんでもない、わけわからん感情です。こんな文章をさらすのも恥ずかしいのですが、書いておきたい。死んでしまった親父にはあえないけれど、今回ばかりは私なりの筋を通したい。私なりに「学者」でありたい。