拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

2004-05-27から1日間の記事一覧

シェリー・ワイア『サイードと歴史の記述』永井大輔訳、岩波書店、2004年

内容的に特記すべきことはないけれど、富山氏の「解説 渦をつくる、そして中心に」を読むと、この訳書が英文学者ではなく若手のアイルランド史研究者の手になる物であることへの富山氏の期待のありようを考えてしまう。

中根隆行『〈朝鮮〉表象の文化誌−−近代日本と他者をめぐる地の植民化』新曜社、2004年

筑波出身の同世代の仕事。これから読みます。

Edward. W. Said, _Humanism and Democratic Criticism_, New York: Columbia UP, 2004

タイトル通りの本でして、渡辺一夫の現代版という気もします。歴史と主体の関係(前者の後者に対する圧倒的な力と後者の無力)はヴィーコに寄りながらクリアして、その実践としてアウエルバッハ的文献学を賞揚するという、サイード読者ならおなじみの議論が…