拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

『文学』5/6月号(岩波書店) 特集=いま英文学とはなにか
といったって、「かつて英文学とはなんだったのか」をきちんとやっていないんだから、こういう特集をくんだってたかが知れている。とはいえ、富山論文は、過去30年間の日本の英文学研究なるものを徹底的に批判的に読み抜くことで、異様なまでに先鋭化した英米批評に対処する――抵抗、とは安易に言えない――手がかりが見えてくるのではないかと指摘している点、読むに値する。
巽論文「米学事始」は、とっかかりとしては優れた論文だが、でも巽さんがこういう仕事をやっちゃ独占禁止法違反だと思う。