拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

梨木香歩『ぐるりのこと』(新潮社、2004年)

9・11以降(たとえば一時期の岡真理さんのように)「文学」がダメダメに思えて凹んでいる時に読むべき本か。
唐突に、19世紀は宗教×、文学の発明、というイーグルトンの公式を思い出した。梨木さんは文学(というより「物語」)を信じようとしているのだろう。結構同感。
拓殖博覧会とアイヌ古老、金田一京助の話は、松田京子さんや吉原ゆかりさんの仕事もふまえてしっかり検討したいのだが、これはちょっと後回しにして、少し時間をかけたいと思う。