拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

釧路・根室旅行

から帰ってきましたが、さすがに疲労しました。
とりあえず柳瀬訳に出てくる「恋問」は「コイトイ」であって、これは(1)根室市内の今はもう埋め立てられた川であること、(2)1789年のクナシリ・メナシの戦いで極悪非道な和人に対して蜂起した七つの川=コタンの一つであること(このコイトイ川は〔柳瀬訳にも出てくる〕野付半島のすぐ北にある)、この2つの可能性があることが分かった。とはいえ、柳瀬さんが(1)(2)を意識しているかどうかは知らないんだけど。
柳瀬訳のアイヌ語地名については他にも収穫があった。というか、本で読んだ知識を体感することができた。一日根室市内を歩き回ったからなあ。やっぱりいろいろ発見があるものだ。
ともあれ来週は発表だ。しかしどうしたもんかな、基本参考文献となっているRoland McHugh, Annotations To Finnegans Wakeの日本版をやるつもりでしゃべろうか。

Annotations to Finnegans Wake

Annotations to Finnegans Wake

もう一つ。古代文字がどうたらとか「根室」はいにしえのムー大陸の中心だとかいうトンデモ説を真面目に書いちゃっている、しかし一応真面目に公的な北海道史をふまえてかかれた根室郷土史を北海道教育大釧路分校図書館で読みふけってしまった。だいたい市町村史というのは無味乾燥なのが常道なのだが、この800頁の本は真っ当ではない。だからとても面白い。
少なくとも、十勝管内の公式市町村史(ほぼ読破している)にはこんな面白本はなかったぞ。