拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

『ミメーシス』→会議

11月9日。
ミメーシス―ヨーロッパ文学における現実描写〈上〉 (ちくま学芸文庫)』第4章は「トゥールのグレゴリウス」の手になる『フランク人の歴史』について。俗ラテン語で書かれたこのテクストは「写実」に近づいているが、しかしまだ民衆の言葉そのものによるテクストではない。あくまでラテン語である。しかしそのラテン語はすでに別の何か(地方語)に転成しようとしているのだ・・・と説くアウエルバッハさんは、熱い。
あと、接続詞や従属節の不完全さにこだわる彼の筆致には、かつての大陸法研究者としての知があるだろうという話など。そもそも『フランク人の歴史』は、19世紀末のフランスにおいてかわされた「調停」をめぐる法制史家の議論の中で紹介されたテクストなのであった。
11月10日。
午前10時から午後6時まで会議。K先生と毒を吐きまくったり。さ、明日は仙台だ。*1

*1:この時点でまだ勘違いに気づいていない。[2006/11/12]