拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

東北英文学会報告

11月18日。
土浦西大学の院生&卒業生が四人もしゃべるので、そのうち三人の発表を聞きました(外山さんは高橋さんとバッティングしたので聞けなかった)。
山口さん、杉本さん、高橋さんの発表は、どれもネタは新鮮、おもしろそうという評判でしたが、やはりあまり発表なれしていなかったせいでしょう、質問の受け答えや発表構成に改善の余地があったとは思います。この点、福島大の霜鳥さんのロレンス『海とサルディーニャ』論(ロレンスの反ツーリズムがツーリズムに回収され、後者を肥大化させてゆく)は、司会の大田さん@東京学芸大をして「突っ込みどころがないね」と言わしめた、わかりやすく、おもしろく、議論が緻密というすばらしい発表で、私も非常に感心しました。
懇親会で霜鳥さんとお話したのですが、修士時代に正木恒夫さんに学んだとのことで、なるほどと深く納得したのでした。
二次会は国分町(土曜の夜で若い人がどっさり)の「土筆」なるイタリアワインの店で3時間ほど。
11月19日。
シンポジウムは「英文学教育をどうするか」。例えば、パネリストの秋田大の齋藤さんの資料にあった「教師:マーク・トゥエイン奴隷制に対する矛盾はどうよ?学生:このオッサン単に怠惰なんじゃないすか?というか、〆切が近くて(推敲できなかった)ということでわ?」という寒い対話を「翻訳」する(そして、より複雑な文学理論の問題設定へと接続することで「読みの快楽」を学生に知らしめる)必要性を説く川田さん@福島大の議論に深く頷きつつ、大西さんのパワポによるプレゼンの鮮やかさに圧倒されて(そしてイングランド常磐炭坑ネタが並んでいたことに感激して)、新幹線ホームへと向かったのでした。
おまけ。
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この本はおもしろそうだということを川田さんの資料で知ったのだった。見逃していましたね。