拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

昔、コウモリといわれたことがありましたが・・・

宗教と魔術の衰退 (叢書・ウニベルシタス)』の上巻を読了。宗教も魔術も似たようなもんだったことを示す、山のような資料の海におぼれているわけだが(最初読んだときも同様)、教師になった今読むと、いいなー(泣)と思う資料があったりする。

フランス人医師のところへ患者がやって来たのであるが、彼は自分が悪魔に取り憑かれていると確信していた。医師は、司祭と外科医を一人ずつ呼び寄せ、一方で生きたコウモリの入った袋を準備したのである。患者に向かって、治すにはちょっとした手術が必要であると話した。司祭は祈りを捧げ、外科医はその男の脇腹を少しだけ切開した。切開されたその瞬間、医師はコウモリを部屋に放ち叫んだ。「ほら見よ。悪魔が飛んでいく」と。この男はこれを信じ、そして治った。(309)