拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

異境の死

異郷の死―知里幸恵、そのまわり

異郷の死―知里幸恵、そのまわり

人文書院から送られてきました。編者の西さん崎山さん、編集の伊藤さん、ありがとうございました。
最近の私の関心から読むと、坪井秀人さんの論文は興味深い。『アイヌ神謡集 (岩波文庫)』が(ローマ字表記のアイヌ語と日本語訳の)対訳形式になっていることに注目しているあたりは、じっくり考えたいところ。
例えば・・・坪井さんは当時の岩波文庫にこうした対訳形式のものがすでにあったことを指摘しているが、これは同時期の外国語教育においても対訳本が流行っていた(はず、まだ未調査)こととも関係あるだろう。「教育的」であることの問題を形式においてもつめて考えておきたい。
同時に、きわめて「教育的」な対訳形式は、マイナー言語の包摂でしかないのか(という書き方もどうかと思うのだが)どうかという点も、考える必要がある。