拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

Stolerとか

8月11〜12日。
12日は父の命日なので、某所にて在りし日の父を偲ぶ・・・のはいいのだが、あれですね、もう七周忌を過ぎたのだが、オヤジの声を思い出せなくなりつつある私。まあそんなもんかなあ。
8月13日。

Carnal Knowledge and Imperial Power: Race and the Intimate in Colonial Rule

Carnal Knowledge and Imperial Power: Race and the Intimate in Colonial Rule

人種、ジェンダーセクシュアリティー、階級等々によって階層化された(とされる)人々が一つのところに存在するということ、そこにどういう欲望が働くのかということを根っこから考えて見たかったので、実に今さらながらこの5年前の本を読んでいるのだが、今ひとつ隔靴掻痒という気もする。
各所に挿入されている写真*1はなかなか面白いし、「読み」がいがあるものなのだが、こちらが期待する「読み」はあまりないのであった。文学研究者の本じゃないし、しょうがないか。
今月31日、筑波イギリス文学会でこの本の「解題」をやるのだが、ストーラーさんだけじゃなくて、新田啓子さんの論文などを読みあさって「親密圏」について考えてみようかな、とか。

*1:蘭領インドネシアにおける家族の肖像+現地人servantの写真はオランダ本国に山ほど送られていてアーカイブになっており、それゆえストーラーさんの調査が成立したわけなのだが、その中にちょっとヤバイ写真――植民者の娘が現地人乳母に肩を組んでいる写真[表紙]や、植民者の妻が泥と汗にまみれて乳搾りという労働をしている写真、現地人と植民者の子供たちが混ざっている学校の写真とかも紛れ込んでいた、ようである。