対照的
12月25日。
午前。
中井亜佐子さんから以下の本をご恵贈いただきました。
- 作者: 中井亜佐子
- 出版社/メーカー: 研究社
- 発売日: 2007/12/22
- メディア: ハードカバー
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「他者の自伝」を読むことは、わたしたちの読書行為を一つの倫理的な要請として捉え直すことでもある。(中略)しかし、「他者の自伝」は自伝的であるけれども、そこには通常の自伝につきものの、あの居心地のよい一人称、私たちが容易に同化しうるあの「わたし」の物語には回収しきれない何かが残る。テクストが常に「他者の自伝」であることに自覚的であることによって、わたしたちはそこに、作家の「わたし」とわたしたちのあいだの隠微な葛藤を発見するだろう。そのような葛藤の発見にこそ、わたしたちの共同体の言説、制度を内部から食い破る可能性が秘められているやもしれないのだ。(8)
「わたしたちの共同体の言説、制度」を「内部から食い破る」には、例えばラシュディーさんやクッツェーさんやスピヴァクさんやらの超マンドクセなテクストに延々と、最後までつきあう根性、というか能力、というか「愛」(300)らしいのだが、そういうものが必要になるようだ。素直に、すごい。
私には『フィネガンズ・ウェイク 1 (河出文庫)』への偏愛があるだけだな。
午後。
荒木正純さんから以下の本をご恵贈いただきました・・・あ、まだ「はまぞう」ではでませんね。というか、版元の悠書館にも画像がないや。
荒木正純『芥川龍之介と腸詰め──「鼻」をめぐる明治・大正期のモノと性の文化誌』(悠書館、2007年)
それにしても、広大な世界に足を踏み入れてしまったものである。還暦を迎えた「旅人」は、もう帰らないかもしれない。
そもそも、わたしは日本文学の研究を多少しているものの、国文学研究者ではない。まして、芥川研究の専門家でもない。受けた教育とこれまで従事した研究からいえば、英文学研究者といえるかも知れない。あえて作家でいえば、シェイクスピアを中心としたエリザベス朝演劇の研究をしていたといえるかも知れない。このように歯切れのわるいいい方をするのは、わたしが文学理論に強い関心を抱き、構造主義・記号論・ポスト構造主義の知的風土でそだち、とりわけ初期デリダのテキスト論に魅了され、その立場から、関心のおもむくままに、テキスト論的読みの実践活動に従事し、地道な個別作家の研究をしてこなかったからである。(286−9)
よい子は真似しないように(笑)。
午後3時過ぎ。
ふと×ラゲツブログを見ると、なんとこの人の本が!
- 作者: 田崎英明
- 出版社/メーカー: 未来社
- 発売日: 2008/01/01
- メディア: 単行本
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