拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

狼たち、吼える

7月12日は青学総研ビルにて狼協会7月例会、ミニシンポに参加させていただいた。いやー、2時間30分、びっしり超濃厚な話を聞かせていただきました。いただいたレジメに必死にメモを取りまくり、頭を絞り、さすがに最後のあたりは意識が飛びかけたが、前衛/リベラリズム未来派モダニズム等々という枠を自明視しないという意志に貫かれた暴走には興奮させられたのでした。例えばKさんの「ウルフさんの「部屋」はマルチチュードの萌芽形態かもしれない」発言というか「宣言」、私はマジに聞きました。実際、ウルフさんのテクストの、他者を歓待しているようなある意味わけわかんない引用を眺めていると、そういう気になってくるのでした。
あと、K野さん、Sさん、Oさんをこのシンポに駆り立てた、Martin Puchnerさんは素晴らしい釣り師だということがよく分かった。私は3章と4章を読む時間しかなかったのだが、The Communist Manifestoゲーテさん的「世界文学」(というか「文学」という訳語も不適切かもしれない)でありつつそれを超えていくものである、このテクストの根源にはtranslationやdistributionへの志向があること等々の餌もあり、私も速攻で釣られたのでした。PuchnerさんがやっていないThe Communist Manifestoの「日本」における受容と変容(と革命)、だれかやってください。というかもうあるんじゃないかという予感。
7月9日。
会議。9月台湾学会ミーティング。
7月10日。
9月台湾学会業務。
夜、サイードさん校正稿チェック。
7月11日。
科研費の分担金について結構頭を悩ませる。年々使い勝手が悪くなる。やっぱり、プロジェクト形式で傾斜配分するのではなくて、一律ある程度の額を配分するというのが、文学研究者には向いているような気もする。プロジェクトも面白いんですがね。
夜〜朝、サイードさん校正稿チェック終了。
7月12日。
午前中はPuchnerさんを読みふける。1969年生まれか。私とほぼ同世代、凄い奴がいるもんだ。