拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

発表終了

先週末はフィリピンのマニラに2泊3日研修。写真はFacebookにアップしました。
帰ってきて昨日は「フィリピン文学と小笠原諸島の多言語状況についての一考察」なる発表を一つ。フィリピンはタガログ語と英語(そして地方の言葉)が公用語になっており、タガログ語と英語はそれぞれ独立したdivisionとして存在している。しかし、このdivisionを超えるような作品もある。今回はタガログ語ベースに英語をセンテンスと文法のレベルで入れ込んだ作品を紹介したが、おそらく逆パターンの作品もあるだろう。では、そういう作品を例えば翻訳紹介するときに、どのような〈日本語〉を使えばいいのか。英語日本語混淆言語がある小笠原欧米系島民の言葉(例:「あのう、back side of the kidsのね・・・」「MeのSponsorの、あのう、French doorの・・・」)を使えばいいんじゃないか。それは「英文学」が用いている「日本語」を富ましめることになるのではないか、云々。
それって水村美苗さんの私小説―from left to rightで翻訳したり論文書いたりってことでしょう?という突っ込みもあったが、はいそれもありです。ただ水村的日本語英語混淆言語は小笠原の言葉でもあるんですよということを明言することに意義があるかと。