植村さんの図式、分かる!
思想史には疎いし、右翼思想を読んでいないせいもあるのだが
植村和秀さんの「思想史からの昭和史」が分かりやすいマッピングを提示してくれていてありがたい。「右翼/左翼」ではなく、もう一つ軸を加えている。つまり、「理の軸/気の軸」を交差させて、「理の軸」は丸山真男vs平泉澄、「気の軸」は西田幾太郎と蓑田胸喜としている。もし自分の読書や研究においていやそれ違うだろと思うことがあっても、昭和思想を読んでいく時の見取り図としてはとても分かりやすいような気がする。気がする、というのは、もちろん私が専門家ではないから。
たぶんこれは英文学でもできるだろうと思う。自分で本を書くときこの図式を知っていれば…と思いつつ、いややっただろうかとも考える。もちろんジェイムソン『政治的無意識』の読者だからあの四象限の図式を知っていたわけで、私も「来るべき〈英文学〉」を語ろうとするならば人物・ポジション相関図を作って四象限を作り、その組み合わせ(の有無というか不在存在の可能性)を考えても良かったのだが、あの時は英文学からサヨウナラしたかったからやらなかったのだったろうなあ。
もしやりたい人がいれば、
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今の私なら、戦前の英文学者のマッピングとして、宮崎さんの「イギリス尊敬/イギリス反対」という軸を踏まえた上で、ここに、当時の英文学者の一部が出会っていたはずのアジアで"english literatures"をどう扱ったのかというところを考えたいような気がする。イギリス反対で「シェイクスピアを日本に奪還せよ」(これ今の「シェイ屑ピア派はどう扱うのか、今度聞いてみよう)の大和資雄のような人たちは、では多様な「シェイ屑ピア」を、「大東亜共栄圏」にすでにあったenglish literaturesを肯定したのかどうか。ここで「ブルジョワ/プロレタリア」という軸や「本国/植民地」という軸を入れてみたい気もするな。