拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

『ゴールドラッシュ』読了

すっかり忘れていたけど、柳美里『ゴールドラッシュ』読了。
大手パチンコ店の店主がその息子に殺害される。この息子(14歳)と、兄と姉がいる。兄は知能に障害があり、姉は援助交際に走る。「少年」は月50万を平気で使い、スピードをやり、不登校で、女子高生輪姦事件の共犯者になる・・・と言った具合で、とにかく「少年」の周囲の環境は劣悪で、これで非行しなかったら不思議という設定。
無理矢理ひどい条件をてんこもりして、しかもニュース23で参加者の少年に浴びせられた「人を殺してなぜ悪いんだ」という質問に一生懸命答えようとしていている。問題を詰め込みすぎですね。あと最後、地震後の世界の終わりのヴィジョンと希望を語るところ、つまらん。
帯を見ると、1956三島由紀夫金閣寺』、1980村上龍コインロッカー・ベイビーズ』、1998柳美里『ゴールドラッシュ』とある。これはいくら何でも持ち上げすぎでしょう。