拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

『帝国意識の解剖学』

北川勝彦・平田雅博編『帝国意識の解剖学』(世界思想社、1999)を購入。

帝国意識の解剖学 (SEKAISHISO SEMINAR)

帝国意識の解剖学 (SEKAISHISO SEMINAR)

第六章、川村湊「近代日本における帝国意識」を読了。もし猛烈に貴方が忙しく、しかし何故か言語学国語学植民地主義との関係について興味をもってしまった場合、手っ取り早く知識を得るための資料としては良いのかもしれない。かもしれないと言うのは、このエッセイは、安田敏朗イ・ヨンスクあるいは石剛といった研究者たちの労作をまとめたものに過ぎないからである。それは川村さんも認めるだろう。イ・ヨンスク『「国語」という思想』を読むことから始めるべきである。そしてイさんが語っていないことに眼を向けるべきである。そろそろその時期である。
安田さんがまた本を出した。『「言語」の構築―小倉進平と植民地朝鮮 』(三元社)である。岡倉由三郎と「博言学」について調べた私は、タイトルだけでこの本の内容がかなり想像できてしまう。願わくば、私の勝手な想像が見事に裏切られますように。