拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

木村大、ダン、他

週末の三連休は札幌で友人たちと飲み会。気分も新たに月曜日の授業をこなすも前日予習で徹夜のため疲労困憊、ろれつがまわらず、目がかすむ。
木村大『The Cadenza 17』(Sony Records, 1999)とイェラン・セルシェル『J・S・バッハ ギター作品集』(PolyGlam, 1983; Deutsche Grammophon, 1999)を札幌の玉光堂にて購入。

ザ・カデンツァ17

ザ・カデンツァ17

J.S.バッハ ギター作品集

J.S.バッハ ギター作品集

木村大とは最近メディア露出度も高い17歳の高校生バカテクギタリスト。アンドルュー・ヨークの曲も悪くないが、H.ヴィラ=ロボスの曲が技巧も高度でスピードがあり「好」。ところでこの少年、カスミホールで親父と演奏したり、ノヴァホールでデビューコンサートをやったりと、完全なる「筑波人」だったのである。僕は知らなかったなあ。セルシェルのアルバムはバッハのリュート組曲が中心の構成だけれど、ちょっと渋すぎ。ギターは華やかにかき鳴らす方べき楽器ではないだろうか。*1
今月末には20年ぶりのSteely Dan, Two Against Nature、来月末には椎名林檎勝訴ストリップ』が出る。前者には過剰な期待は禁物。やっぱりダンはもうピークを過ぎていると思う。後者は猛烈に期待しているし、期待に応えてくれるだらう。
Two Against Nature

Two Against Nature

Two Against Nature
ところで『噂の真相』3月号にはよくある芸能人整形ネタがあって、地顔で勝負しているのは藤原紀香広末涼子くらいとか・・・。まあ『噂真』だからどうでもいいが、しかし林檎嬢の「整形」ネタには困惑。言われてみると「幸福論」と「罪と罰」では確かにご尊顔も微妙に違うような・・・。

Emar Martin, More Bread or I'll Appearは、ちょっと考えすぎ。消えた姉を捜す姉妹二人が筑波から京都、広島を旅して日本人のゲイの青年や「変態性欲」サラリーマンが出てきたりするが、なんというか、セクシュアリティや人種の問題を取り込むべく勉強しましたという感じがなきにしもあらず、いまいち。この人のデビュー作はもっと傍若無人だったが、まさにそれゆえの"novelty"があった。難しいですね、イキオイで書いた作品が売れたあと、どう書いていくかってのは。Irvine Welshにも同様の傾向なきにしもあらず。
というわけで、『現代思想』最新号「ジェンダー」に掲載された村山敏勝のVillet論(小説屋さんは必読)を読むと、頭が古典回帰してしまった。*2明日の暇な時間にはRobert Louis Stevenson, A Footnote to Historyでも読もう。

*1:訂正:三枚目のCDには「無伴奏チェロ組曲」が入っていて、これはなかなかよい。[2000/02/15]

*2:直後に、ご本人から私の怠惰を鋭くついたコメントをいただいた。なつかしい。[2006/03/15]