拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

Stevie Wonder, Talking Book (1972)

TALKING BOOK

TALKING BOOK

あらためてじっくり聴いて、うーんと唸る。
この作品を最初にきいたのはたぶん高校生の時だったはずだが、こんな感動は覚えなかった。すべてすばらしいが、最近ちょっと疲れ気味なので、'Heartbreak Tuesday'や'You've got it bad girl'の美しい声、下降しつつ盛り上がるコード進行、定番なんだけどしかし猛烈に感動する。他方、ベースおたくとしては、めちゃくちゃ重いリズムの曲にも聴き惚れる。
カシオペア(!)のベーシスト櫻井哲夫が、雑誌『ベースマガジン』かなんかのアンケートで「尊敬するベーシスト」としてスティーヴィーの名前を挙げていた。高校生の頃は櫻井哲夫ジャコ・パストリアスのテクニカルな面にしか興味が無かったので、えーなんで?と思ったが、今は納得。
もう一つ、非常にサウンドの質が高い。いくらSly and the Family Stone, Flesh (1973)が良いって言ったって、全然勝負にならんな。
当時のスティーヴィーは若干22歳。現在21歳の椎名林檎に驚いている場合ではない。実際、『勝訴ストリップ』には失望。まあ前作も含めて「三部作」を構想しているようだから、次回作ではもっと過激でタイトな作品を作り上げ、Rage Against the Machine, The Battle of Los Angeles (1999)を超えてもらうことを期待しよう。そのころには浜崎あゆみと比較される「林檎バブル」もはじけていることだろう。*1

*1:東京事変でがんばっていますね。[2006/07/12]