拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

論文の推敲に行き詰まる。うすうす気づいていたのに抑圧していた事実、要するに資料の読み込みが足りなかったという事実が重くのしかかる。はやく論文の形にしたいと焦るあまり、ひたすら弥縫策に走っていた。こういういいかげんなことではダメだ。木村一信さんの『光と風と夢』書評文献目録に載っている書評と載っていないものをもう一度チェックしよう。大体『文学界』同人の中村光夫の書評だけで、『光風夢』が偽装した日本植民地主義批判として読まれたかもしれないと論ずるというのが間違いで――もちろん論ずる、なんて大それたことではなくて、可能性を示唆する、という程度なのだが――正しく国策を批判してきっちり投獄された左翼批評家の岩上順一の書評(コピーを持ってはいる)すら精読していないではないか。というわけで、書くのはちょっと休憩、来週くらいまでは読みをやる。