拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

上村忠男『バロック人ヴィーコ』(みすず書房、1998年)

の最後、301−305頁は、サイードヴィーコに「さまざまな始まり」の問題系を(かなり無理矢理)読み取ったきっかけについて、これは1967年の第三次中東戦争直前に行われたセミナーでのフーコーの講演「異他なる空間」における中心テーマ、《ヘテロトピア》がきっかけ(の一つ)であって、サイードはこのフーコーの概念に、ヴィーコのトピカ的読み、隣接性重視の読みを重視するようにインスパイアされた等々と書いているわけなのだが、私としては、もっと直裁に、"beginnings"の由来を知りたいわけなのだった。
だって、1968年の"Beginnings"という論文、いきなり前提なしに「始まりとは何か?」なんだから、これは何かコンテクストがあったはずだと思うのだけど。
バロック人ヴィーコ