拓殖のあと

はてなダイアリーから引き継ぎました。(2018年8月31日)

教授はツライよ

と思う今日この頃なのでした。いや、私は准教授ですらない、絶滅危惧種の講師なわけですが。
2月5日。
院試。
来週火曜日の授業で取り上げるこれ▼を読んだ。

愛人 ラマン (河出文庫)

愛人 ラマン (河出文庫)

マルローさんの『王道』との対位法的読みのためのテクストということで、いろいろ考えずカンでこれにした。これも積ん読でした。
訳者の清水さんの指摘どおり、〈女乞食〉の増殖&徘徊(137-)は迫力がある。『王道』のペルケンさんとクロードさんの濃ゆいダイアローグより、ずっと。
2月6日。
院試。
終了後、研究会へ。最近の院生研究会では『Allegories of Reading: Figural Language in Rousseau, Nietzsche, Rilke, and Proust』冒頭の'Semiology and Rhetoric'をジュネットさん&バルトさんヲタのKさんが担当しているのだが、この人は仏文なので、ド・マンさんによるプルーストさんの訳が「違和感ありまくり」であることにすぐ気がつくのだな。プルーストさんの"an inside/outside correspondence" (13)*1を説明する下りで、「スワンの方へ」の一節、視覚と聴覚との「照応」を分析するのだが、ここでド・マンさんが"dark coolness" (13)と訳している言語は、obscurとfraîcheurなんだそうだ。後者はまあよいにしても前者はちがうんじゃね、これド・マンさんの勝手な捏造じゃあ・・・いやこれは二項対立(闇/光、聴覚/視覚etc)→脱構築という議論をわかりやすくするための「解釈」なんだろう・・・オレがこんな訳つけたらぶっこ(ryされるよなw・・・ド・マンさん、えらいよ!等々、議論百出で楽しかったのでした。
のち、調整作業を粛々と。
ふと気がつけば、最近は中途覚醒が以前よりおさまってきたような気がする。6時間連続して眠れるんですな。というか、寒いので、中途覚醒してもベッドから出られないから、そのまま二度目の就寝ということになっているのかもしれないな。
2月7日。
会議まで、調整(ry

*1:当然ボードレールさんの「万物照応」がエコーしているだろう、と私のコメントw